愛猫の体重管理:肥満を防ぐ正しい食事量の考え方
ペットフードアドバイザーとして最も多く受ける相談の一つが、猫の体重管理についてです。実は、室内で暮らす猫の半数以上が肥満気味といわれています。今日は、愛猫の適切な体重管理について考えていきましょう。
猫は体が小さいため、わずかな食事量の違いでも体重に大きく影響します
例えば、毎日たった20グラムの食べ過ぎが、1年で1キロ以上の体重増加につながることも。特に、去勢・避妊手術後は基礎代謝が下がるため、より慎重な管理が必要です。
では、どうやって適切な量を判断すればいいのでしょうか。まず大切なのは、愛猫の理想体重を知ることです。一般的な成猫の標準体重は、雌で3-4kg、雄で4-5kg程度ですが、これはあくまで目安。体格や品種によって大きく異なります。
・横から見て、お腹のラインがくびれている
・背骨や肋骨が、軽く触れる程度
・上から見て、ウエストラインがある
食事量の調整は、現在の体重と活動量を考慮して行います
パッケージに記載された給餌量は平均的な値なので、愛猫の状態に合わせて増減が必要です。特に室内飼いの場合は、記載量の70-80%程度から始めるのがおすすめです。
また、食事回数も重要なポイント。猫は本来、1日に10-20回程度の少量の食事を取る動物です。可能であれば、1日2-3回に分けて給餌することで、急激な血糖値の上昇を防ぎ、より自然な食事リズムを作ることができます。
ウェットフードとドライフードの使い分けも効果的です。ウェットフードは水分が多く含まれているため、同じカロリーでもドライフードより量が多くなります。これにより、満腹感を得やすく、過食防止にもつながります。
運動量を増やすことも大切です。おもちゃを使った遊びや、キャットタワーの設置など、室内でも十分な運動ができる環境作りを心がけましょう。食事と運動、両方からのアプローチが、健康的な体重管理の鍵となります。
体重管理は一朝一夕にはいきません。毎月の体重測定と、日々の体型チェックを習慣にすることで、小さな変化にも気づけるようになります。愛猫の健康のために、無理のない、でも継続的な管理を心がけていきましょう。