猫の食事の基本:なぜ猫は「肉食」なのか

猫の食事の基本:なぜ猫は「肉食」なのか猫は超肉食動物!正しい食事の重要性を知ろう

長年ペットフードアドバイザーとして、猫の食事相談に携わってきましたが、多くの飼い主さんが「猫はどうして魚や肉ばかり欲しがるの?」と疑問を持たれます。実は、これには科学的な理由があるのです。

猫は、人間や犬とは全く異なる「完全な肉食動物」です

これは単なる好き嫌いの問題ではなく、体の構造そのものが肉食に特化しているのです。

例えば、犬も肉食動物ですが、人間と暮らす中である程度の雑食性を獲得してきました。しかし猫は違います。現代でも野生のネコ科動物とほぼ同じ消化の仕組みを持っているのです。

特に重要なのが、猫が体内で作れない栄養素の存在です。タウリンという必須アミノ酸は、動物性タンパク質からしか摂取できません。また、ビタミンA(レチノール)も植物由来のベータカロチンから合成することができないため、必ず動物性の食品から摂取する必要があります。

猫の歯を見てみましょう。全ての歯が肉を裂き、切り取るのに適した形をしています。人間のような臼歯はなく、植物を擦り潰して消化することはできません。また、消化管も肉食に特化しており、体長の約3倍程度と非常に短いのです。

このような体の構造を持つ猫に必要な栄養とは何でしょうか?
必要なのは良質なタンパク質です。特に以下の3つの条件が重要です:
・新鮮な動物性タンパク質であること
・消化吸収率が高いこと
・必須アミノ酸が十分含まれていること

また、猫は喉が渇いていることを感じにくい動物です

野生では獲物から水分を摂取していたため、現代の乾燥フードだけの食事では水分が不足しがちです。そのため、ウェットフードの活用も大切なポイントとなります。

私がいつも飼い主さんにお伝えしているのは、「猫は小さな体の肉食獣」だということ。人間の感覚で食事を考えるのではなく、猫本来の食性を理解した上で食事を選ぶことが、健康な暮らしの基本となります。

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