猫の殺処分が減らないことについて

猫の殺処分について

平成29年度の調査では、猫の殺処分数は34,854頭を報告されています。年々減少していますが、犬の殺処分が、8,362頭までに減っていることに比べると、猫の方が問題が根強く深刻であることがわかります。

なぜ、猫の殺処分数が減らないのか、適正譲渡が進みにくいのか、猫の取り巻く現状と問題について、整理してみましょう。

問題の整理

犬の殺処分数が着実に減っていることに対して、猫も減少はしているが成果が上がらない理由として、犬と比較して以下のようなことが挙げられます。

猫に対する人々の、飼育責任の意識が低い
猫の飼育は昔から「ねずみをとってもらう」という目的もあり、「猫は自由にさせるもの」という意識がいまだ日本人の中に根強くあります。

屋内の管理や繁殖制限が望ましいという飼い主責任の意識が十分とは言えません。そのため、外への出入りが自由な状態で飼われている猫や飼い主がいない猫による、糞尿やいたずらなどが、苦情の原因になっています。

繁殖生理が違う
犬と異なり、猫は発情の周期が頻繁で、繁殖能力が高い動物です。繁殖制限を行っていない場合、繁殖を繰り返し、1頭のメス猫が1年で20頭。2年で80頭以上にも増えるともいわれています。

以上のような要因から子猫の引き取り数が減少しておりません。平成29年度の調査では、殺処分された子猫は21,611頭でした。飼い猫が生んだ子猫の遺棄も未だ後を絶ちません。

猫に関する苦情が多い
外飼いの猫、飼い主のいない猫による、糞尿被害や騒音、いたずら、侵入など環境悪化の苦情や、「適切な管理がされないままえさやりをしているから猫が増えて困る」「猫が捨てられている」など様々な苦情が行政に寄せられます。

猫の譲渡希望者が少ない
里親募集サイトで猫を譲り受けるなどの機会が多く、自治体から猫を譲り受けるまでにいたりません。

成猫まで手が回らない
自治体の譲渡は成猫より子猫のほうが多いため、成猫の譲渡が進みづらい状況です。

自治体の事例

こうした状況の中で、殺処分数を減らし適正譲渡を進めるため、各自治体で様々な工夫や努力がなされています。譲渡前の不妊去勢手術を獣医師会と連携して行っている自治体、団体譲渡など民間と連携して譲渡率をあげている自治体、引き取り頭数を減らすために「地域猫活動」や、不妊去勢手術の助成金制度、適正飼養の指導などに力を入れている自治体など様々です。

 

出典・加工して作成:環境省「猫の適正譲渡ガイドブック」
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2806a/pdf/full.pdf