【海外ニュース】ディクロウ -猫爪除去手術から私たちが考えること-

「ディクロウ」という猫爪除去手術、みなさんご存知ですか?

飼い猫が、部屋の壁紙や柱、ソファや畳、カーペット等で爪とぎをする対策法としてそのような手術を施す事を望む飼い主さんがいます。実際に、世界中で多くの飼い猫がその手術をうけています。

その術後には激しい痛みを伴い、また精神的負荷も大きいと言われています。爪とぎは猫にとってストレス発散の行為でもあり、マーキング的な意味合いもあります。獲物を獲得するために必要な爪が無くなるということは、現在科学的に証明されていない部分でも猫の本能や精神面に負荷を与える可能性は否めません。

「猫を飼う」という事は、イコール「色々な場所で爪とぎをしてしまうかもしれないよ」という現実を込みで承知する必要があるという事ですね。

爪等の病気でもない猫の爪を「家や家具がボロボロになるから」という理由で除去し猫に苦痛を与えることは完全な人間のエゴだということで、近年でも世界中から多くの批判の声が上がっていました。

2019年7月22日、アメリカニューヨーク州で「猫の爪除去術禁止法」が施行

そんな中、2019年7月22日、アメリカニューヨーク州で「猫の爪除去術禁止法」が施行されました。

心から猫を愛する人々からは大変喜ばれています。ただ、一部ペット関係者からは「これまでは爪除去をすることでストレス無く猫を飼っていた飼い主がいて、そういった人々が今後保護猫を飼わなくなるということになってしまえば猫の命そのものの危機が増えるのでは?」という声も。

確かに猫との共存には、壁や家具での爪とぎ・粗相・各種いたずらといった「人の許容が試される猫の性質」を考慮する事は欠かせません。それらの問題さえ無ければ飼えるのに…という方も少なくはないでしょう。しかし、それを「問題」と捉える事そのものははたして正しいのでしょうか?人が爪切りをしたりストレス発散で様々な手法を取るように、猫も同じくそれを「爪とぎ」という形で行っているにすぎません。

今は、壁や柱用の猫爪とぎ対策グッズやソファカバー、爪とぎができない強度のソファ生地など様々な商品が開発されています。家具への爪とぎで飼えない=助かるはずの命が助からないと思うのであれば、ディクロウに反対するのではなく先程述べたような「爪とぎ対策商品を開発する・開発する会社を応援する」といった方法の方が、猫の心身が傷付かずベストなのではないでしょうか。

目先の命を救う事も当然大切です。しかし、同じ地球に生きる生き物として人間の生命を脅かすどころか、人間にとって素晴らしい影響を与えてくれる猫たちに対する「人間の考え方改革」が最も必要なのではないかと考えます。

また、性格的に人との共存が難しい保護猫(引っ掻く・噛みつく)に関しては、無理に保護するよりもこれまでの環境のままにしておいてあげる方が猫にとって幸せである場合もあります。何にせよ、人間はエゴよりも頭を使って工夫する事・道理から外れない事・思い遣る事を重点に置く必要があり、日々気持ちを改める事が大切です。