自治体に収容される猫や犬の現状について
・42万頭の叫び
近年、都市化や少子高齢化が進む中で、家庭動物を飼うことが人の心身によい効果を及ぼしたり、生活の潤いになるなど、その重要性が注目されています。
家庭動物はもはや単なるペットではなく、大切な家族の一員として考えられるようになってきました。
しかし、その一方で、全国の自治体に収容された猫や犬の数は、毎年約42万頭にものぼります。
・収容された理由
飼えなくなった、捨てられていた、生まれたけどもらい手がつかなかった、路上をうろついていた、路上などで病気やケガで助けなくなっていた・・・自治体の窓口に連れてこられる猫や犬の理由は様々です。
一部は飼い主に返還されたり、新しい飼い主に譲渡されますが、その数はごくわずかであり、ほとんどは飼う人がいないために殺処分となっいているのが現実です。
・殺処分される猫たち・・・約24万頭
殺処分される猫のほとんどは子猫です。猫は交尾すればほぼ100%妊娠し、年2~3回出産できるので、繁殖制限措置をしないと、爆発的に増えてしまいます。これらの子猫に、新しい飼い主がみつかる可能性は極めて低く、ほとんどが殺処分となっています。
また、猫は屋内飼育がすすめられていますが、放し飼いの猫については、交通事故などでケガを負ったり、感染症などの病気にかかり衰弱して動けなくなっているものを保護することが多いのも特徴です。
これら負傷して収容された猫は毎年1万頭近くに上りますが、身元を示すものをつけていなかったり飼い主からの連絡がないために、飼い主の元に戻れるものは約1%にすぎません。
・殺処分を減らすために、飼い主ができること
収容された42万頭の猫や犬も、元をたどれば飼い主がいたはずです。ところが、迷子にさせてしまったり、いなくなっても捜さなかったり、子猫や子犬を無計画に生ませてしまったり、捨てたり・・・。
飼い主の身勝手が多くの命を奪っていることになります。
飼い始める前に彼らと幸せに暮らせるかを熟考し、目の前の命を慈しみ、そして、大切に最後まで飼うという、飼い主としてあたりまえの責任を果たすことで、42万頭という数は確実に減らせるのです。
出典・加工して作成:環境省「捨てないで、迷子にしないで」
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/1809-2/full.pdf