猫を飼うにあたっての「動機」の重要性について
猫を飼う。という事について、少し考えてみましょう。
猫を飼う理由は何なのか。寂しいから・可愛いから・パートナーとして・家族として・自慢したいから・子供の情操教育のためなど、様々な理由のもとに人間は猫を飼います。そして、その運命に身を委ねる=飼い主を信頼するのが猫です。ひと昔前は、猫をネズミなどの駆除のための家畜として飼う家庭が多くありました。そう考えると、今と昔では猫を飼う動機が変化しています。猫を飼うにあたっての「動機」の重要性を考えてみましょう。
明確な動機
パートナーとして
パートナーというものは、唯一無二の存在です。依存する対象でもなく、互いに高め合える大切な存在。そのような認識で飼う場合は、猫を対等に見ることができるので必然的に飼い方も正解に近いものになります。
家族として
家族の一員として猫を迎える場合は、家族全員が猫の性質を学び、猫に対して良い影響のある事を行い、逆に悪い影響のある事は行わない等のルールを決める必要があります。例えば、猫に与えて良い食べ物や時間、与え方などの情報を共有していれば猫が病気になったりストレスを抱えるような事態も回避しやすくなります。猫は、他人と家族を区別し、家族だけに特別な仕草を見せてくれることも多くあります。それが信頼の証です。
子供の情操教育のため
猫が好きであることが前提となりますが、正しい飼い方を行っていれば、人間が小さい頃から猫と共に育つ事で人間にも猫にも非常に良い影響を与えることが分かっています。また、人間の免疫力にも良い意味で作用するという研究結果も最近よく耳にします。ただし、猫は基本的に子供を得意としません。理由は、猫は予測不能な動きをするものを嫌うからです。ですので、子供がある程度生き物に対して理解ができる年齢になってから猫を飼うことをお勧めします。
曖昧な動機
寂しいから
人間の寂しさを満たすために猫を飼う場合、上記にもあるようにパートナーとしての意味合いが強ければ問題ありません。万が一飼い主に何かあった時の保護先を確保しておけばより良いでしょう。「寂しいから」という理由だけで安易に猫を飼う場合、猫に多くの見返りを求めてしまうことにも繋がりかねません。猫のリアクションや性質などが自分の思い通りにならなかった場合、寂しさを埋めるどころか逆に手がかかる生き物として良くない感情で捉えてしまうようになる場合もあります。心に余裕のある状態で猫を迎え入れることが望ましいです。
可愛いから
可愛いという基準は人それぞれかと思います。動機が「可愛い」の場合でも、その先にある猫の本質的部分や生体に関する勉強を行って大切に飼う場合は、人も猫もしあわせな生涯を送ることができるでしょう。問題は、ぬいぐるみのような見た目の可愛さだけに照準をあわせて猫を飼う場合です。猫は、人間とは全く異なる性質を持った生き物です。可愛いというだけの動機である場合、猫に与えてはいけない食べ物や猫の体質に合わないフードやトリーツを与えて、表面的に可愛がるだけのパターンがよく見受けられます。その結果猫が病気になる事も多く、また、飼ってはみたものの思い通りにならない(粗相など)ことで安易に手放す要因にもなりかねません。欲しい!と思ったら、まずは猫をひとつの「生命」として学習しましょう。
自慢したいから
ここ最近、そのような理由から生き物を飼う人が増えています。SNSで自慢するためという理由も含め、猫を飼う動機としては避けたいところです。猫は物ではなく、心を持った生き物です。不自然な格好をさせたりポーズを強要したりして写真を撮るという行為は、本来の猫好きには見られない傾向です。猫が歳をとって、毛量が減ったり毛並みに老化が見えるようになっても変わらず愛情を注げる飼い主を目指しましょう。
人間と猫、共に幸せな生活を送るために
人間だからといって、誰しもが猫を飼えるわけではありません。人間の赤ちゃんを迎える時と同じように節度と責任を持ち、生態についてしっかりと学び理解して初めて猫はパートナーや家族となるのです。共に成長し、支え合える相棒として迎え入れる心構えがあれば充実した猫との生活をおくることができるでしょう。
投稿日:2019/01/15 最終更新日:2019/09/18